「未経験歓迎」と書いてある IT 求人は多く見えます。ただ、それが全体の何割で、どの職種に集まっているかは、数えないと分かりません。 2026年9月15日に、求人サイトの検索結果に表示される件数をそのまま記録しました。
数えた結果
| サイト | IT 技術職の求人 | うち「職種未経験歓迎」 | 割合 |
|---|---|---|---|
| doda | 50,015件 | 2,882件 | 5.8% |
| マイナビ転職(エンジニア求人サーチ) | 73,461件 | 2,797件 | 3.8% |
| type | 1,003件 | 298件 | 約30% |
2026-09-17 に同じ条件で数え直すと、doda は IT 技術職 49,980件・職種未経験歓迎 2,897件(5.8%)、全職種 289,161件・職種未経験歓迎 65,530件(22.7%)でした。件数は日々動きますが、割合はほぼ変わりません。
比較のために、doda の全職種で同じ条件を見ると、288,864件のうち「職種未経験歓迎」は 65,437件で 22.7% でした。 IT 技術職の未経験枠は、全職種平均の4分の1です。 type だけ割合が高いのは、母数が1,003件と小さく、8つの職種区分をまとめて数えているためです。
出典: doda 技術職 検索結果/同 未経験歓迎 検索結果/マイナビ転職 IT エンジニア・職種未経験 OK/type IT・Web エンジニア・未経験歓迎。いずれも 2026-09-15 の表示件数。
未経験歓迎の中で、どの職種が多いか
2026-09-17 に doda の「職種未経験歓迎」× IT 技術職 2,897件を、職種の中分類すべてで数え直しました。
| 職種(中分類) | 件数 |
|---|---|
| 業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ | 1,112件 |
| インフラエンジニア | 782件 |
| サポート・ヘルプデスク | 652件 |
| プログラマ・Web サービス系エンジニア | 449件 |
| 社内 SE(社内情報システム) | 375件 |
| IT コンサルタント・システムコンサルタント | 301件 |
最も多いのは業務系アプリケーションエンジニア・プログラマの 1,112件で、インフラエンジニアは 782件で2番目でした。 1件の求人が複数の職種に分類されるため、各職種の合計は 2,897件を超えます。 割合として足し上げることはできません。
訂正(2026-09-17): 2026-09-15 の公開時、この節は「インフラエンジニアが 767件(26.6%)で最多」と書いていました。 同じ日の他職種の件数を確認しないまま「最多」と書いた誤りです。 中分類をすべて数え直して訂正しました。インフラの件数(767件)自体は表示されていた値です。
「未経験歓迎」の中身は、公的資料にどう書かれているか
厚生労働省が2024年3月に公表した「IT・デジタル人材 労働市場調査」には、企業へのヒアリングがそのまま載っています。
- 未経験の中途採用者は「基本的には全員育成枠でもあるアプリケーションエンジニアと呼ばれる職種で採用し、一定期間経過後、別の職種に異動」する企業の例(p77)
- 「中途未経験者は下から2番目の11等級からスタート」する企業の例(p78)
- SES 企業では「新卒未経験では受注が難しく3年程度の研修が必要だが企業体力がない」という声(p79)
同じ資料は SES を「エンジニアがクライアント企業に常駐し、業務内容や工数に基づいた報酬」を得る形態と定義しています(p16)。 未経験歓迎の求人には、この形態のものが含まれます。求人票の「勤務地」が「プロジェクト先による」となっていれば、その可能性が高い。
出典: 厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する調査」令和6年3月 PDF
業界の構造
情報サービス産業協会(JISA)の2024年版基本統計(有効回答300社)では、会員企業の主たる業務は SI が 26.0%、受託型のソフトウェア開発が 48.0%、自社プロダクトは 2.0% でした。 未経験で入る先の多くは、受託か SI か、その常駐先です。「自社開発」は業界の中で少数です。
出典: JISA 情報サービス産業 基本統計調査 2024
ここまでで言えること
- IT の未経験枠は全職種平均の4分の1。「未経験歓迎」は多く見えて、割合は小さい
- 未経験枠の職種別で最も多いのは業務系アプリケーションエンジニア(1,112件)。インフラエンジニアは782件で2番目
- 公的資料の企業事例では、未経験は育成枠・低い等級からのスタートで、常駐型の形態が含まれる
- 業界の主たる業務は受託と SI。自社開発は少数
未経験歓迎の求人を探すなら、件数が多いインフラ職を含めて探し、勤務形態(常駐か自社内か)を求人票で確認するのが、数字から導ける順番です。 どの窓口に相談するかは、エージェント9社の公式情報の比較と、相談先診断で絞れます。
この記事は公開されている件数と公的資料の記述だけで構成しています。件数は日々変わります。