「未経験からITに行くなら、まずスクールに数十万円」という話をよく見ます。ただ、お金をかけない入口は公的なものだけで3種類、民間を含めると5種類以上あります。 それぞれ「無料の条件」が違うので、2026年9月16日に各公式ページの記述を確認して並べました。
結論の表
| 入口 | 費用 | 誰が使えるか | 期間 | 就職支援 |
|---|---|---|---|---|
| 公共職業訓練(ハロートレーニング) | 無料。テキスト代は自己負担 | 主に雇用保険を受給中の求職者 | 2〜6か月が中心 | ハローワーク |
| 求職者支援訓練(ハロートレーニング) | 無料。テキスト代は自己負担 | 雇用保険を受給できない求職者など。要件を満たせば月10万円の給付金 | 2〜6か月 | ハローワーク |
| 都道府県の委託訓練(東京都・大阪府など) | 無料。教科書代は自己負担 | 離職者でハローワークに求職申込済み | 3〜6か月 | ハローワーク |
| ウズウズIT/ウズカレIT(UZUZ) | 無料(入会金・違約金なし) | 30歳以下 | 約1か月 | あり(求人紹介・就活支援) |
| キャリアカンパニーの無料 IT スクール | 無料 | 同社の転職サポート利用者 | 最大半年 | あり(専任アドバイザー) |
| ネットビジョンアカデミー(無料コース) | 受講料無料。CCNA 受験料 42,900円は自己負担 | 19〜32歳、東京か大阪で勤務可、紹介企業に就職できる人 | 1か月 | あり |
| リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経産省) | 受講費の 1/2(上限40万円)、転職後1年で追加 1/5(上限16万円) | 在職者で転職を目指す人 | 講座による | キャリア相談あり |
| 専門実践教育訓練給付(厚労省) | 受講費の 50〜80%(年間上限40〜64万円) | 雇用保険の被保険者期間3年以上(初回は2年以上) | 30時間以上・2年以内 | なし |
「無料」の中身は3つに分かれます。税金で無料(公的訓練)、就職先の企業が研修費を出すから無料(民間の無料コース)、自分で払って後から一部戻る(給付金・補助)。 どれが合うかは、いま働いているか、年齢、どの地域で働くつもりかで決まります。
1. 公的な職業訓練:無料で、条件を満たせば月10万円
厚生労働省のハロートレーニングは「しごとをお探しの方を対象とした無料の職業訓練制度」で、テキスト代だけ自己負担です。2つに分かれます。
- 公共職業訓練: 「主に雇用保険を受給している求職者の方」向け。「受講料無料」
- 求職者支援訓練: 「主に雇用保険を受給できない求職者の方」向け。「訓練期間は2か月から6か月」。要件を満たせば職業訓練受講給付金として月10万円、通所手当(月上限42,500円)、寄宿手当(月10,700円)が出る
給付金の要件は公式ページに列挙されています。本人収入が月8万円以下、世帯収入が月30万円以下、世帯の金融資産が300万円以下、訓練実施日すべてに出席、過去6年以内に同じ給付金を受けていない、など。 要件を満たさなくても、訓練そのものは無料で受けられます(公式ページに明記)。
IT 系のコースは、大阪ハローワークの案内で「IT・Web」分野、委託訓練の例に「Webクリエーター」「プログラマ養成」が挙がっています。コースは地域と時期で変わるので、公式の検索ページで探すのが確実です。
出典: 厚生労働省 ハロートレーニングとは/求職者支援制度/大阪ハローワーク/訓練コース検索(2026-09-16 確認)
2. 都道府県の委託訓練:民間スクールに無料で通う形
東京都の委託訓練は、民間の教育機関に都が委託して行う訓練で、「無料です。ただし、教科書代等は本人負担となります」。対象は「受講開始日において離職者で、ハローワークに求職申込をしており、受講指示、受講推薦又は支援指示を受けられる方」。期間は3か月・6か月・企業実習付き4か月など。 都立の職業能力開発センターにも「ネットワーク施工科」(6か月、短期課程は授業料等無料)のような情報系コースがあります。
大阪府の離職者等再就職訓練も「受講料は無料です。ただし、テキスト代、交通費等は自己負担」で、「関係職種を未経験の方も受講することができ」と明記。例として「Webデザイン+プログラミング実践科(5か月)」などが載っています。
出典: 東京都 委託訓練・短期課程/大阪府 離職者等再就職訓練(2026-09-16 確認)
3. エージェント併設の無料研修:年齢と就職の条件を読む
転職・就職エージェントの中には、無料の IT 研修を併設している会社があります。無料の理由は「就職先の企業から研修費を頂く」(ネットビジョンアカデミーの FAQ)という仕組みで、対象年齢と、紹介企業に就職する前提が条件になります。
- ウズウズIT(UZUZ): 無料研修「ウズカレIT」は「完全無料(入会金・違約金なし)」。ただし「無料のコース『ウズカレIT』のみ、対象年齢を30歳以下」。完全オンラインで、研修は約1か月。研修後に求人紹介と就活支援がある。就職しなかった場合の違約金はないと明記
- キャリアカンパニー: 「完全オリジナルオンラインITスクール」を「当社の転職サポートをご利用の方」に「完全無料」で提供。CCNA・LPIC・AWS・Python の講座160時間分、最大半年利用可。年齢や地域の条件はスクールのページには書かれていない(エージェントとしての対象は20代・一都三県と大阪)
- ネットビジョンアカデミー: 無料コースの条件は「19歳から32歳」「東京、大阪いずれかにて勤務可能」「CCNA取得後、NVA紹介企業に就職可能な方」「カリキュラム全体で90%以上出席可能」。CCNA 受験料 42,900円は別途。所定の事由に該当すると有料コースへの切り替えがあり、金額は公式内で15万円と20万円の記載が混在しているので、申込前に確認が要る
注意: 「GEEK JOB」の無料コースは、2026年9月16日時点で公式ページに到達できず、運営サイトにサービス終了の案内が出ていたため、この記事では扱いません。
出典: UZUZ ウズウズカレッジ FAQ・2024-11-19 お知らせ/キャリアカンパニー スクール案内/ネットビジョンアカデミー 受講条件・FAQ(2026-09-16 確認)
4. 働きながら学ぶなら:国の補助は最大80%
在職者には、自分で講座を選んで受講費の一部が戻る制度が2つあります。
- リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経産省): 講座修了で「受講費用(税別)の1/2相当額(上限40万円)」、転職して1年続けると「追加的に1/5相当額(上限16万円)」。対象は「在職者であり、雇用主の変更を伴う転職を目指している方」
- 専門実践教育訓練給付(厚労省): 「教育訓練経費の50%(年間上限40万円)」を6か月ごとに支給。資格を取って雇用されると70%(上限56万円)、賃金が5%以上上がると80%(上限64万円)。要件は雇用保険の被保険者期間3年以上(初回は2年以上)。IT 系では「第四次産業革命スキル習得講座」やCCNP などITSS レベル3以上の資格講座が対象
出典: 経済産業省 リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業/厚生労働省 教育訓練給付制度・リーフレット PDF(2026-09-16 確認)
どれを選ぶか、条件から逆算する
- 離職していて雇用保険がある → 公共職業訓練(無料)。ハローワークで受講指示をもらう
- 離職していて雇用保険がない・収入が少ない → 求職者支援訓練(無料+要件を満たせば月10万円)
- 20代で、関東・関西・東海で働く予定 → エージェント併設の無料研修が使える。ウズウズIT は30歳以下、ネットビジョンは19〜32歳で東京か大阪
- 在職中で、辞めずに準備したい → 専門実践教育訓練給付かリスキリング支援事業。先に払って後から戻る形なので、手元資金は要る
無料スクール併設のエージェントは、エージェント9社の比較と相談先診断で、年齢と地域の条件に合うかを確認できます。
この記事は各制度・各社の公式ページの記述だけで構成しています。給付額・対象年齢・コースは変わるため、申込前に必ず公式ページをご確認ください。